なぜ脚がつるの?
電解質のバランスが崩れるからです!
電解質とは、水などの溶媒に溶解した際に
陽イオンと陰イオンに電離する物質のことで
ナトリウム(Na)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、リン(P)、クロール(Cl)、重炭酸(HCO3-)などがあります。
これらは主要ミネラルとしても重要で、身体の機能の維持や調節など、生命活動に必要な役割を果たすために、体内にある一定の範囲内で保持されています。
ところが、さまざまな理由で過不足が生じ、その恒常性が破綻すると、「電解質異常」が起こります。
①脱水
運動をするなどで大量の汗をかくと、脱水状態になることがあります。
筋肉や神経の働きを調整している血液中のカルシウム・マグネシウムなど、ミネラル(電解質)のバランスが崩れ、水分が不足。
筋肉を安定させている電解質が不足すると、筋肉は十分な代謝を行うことができなくなります。
そうすると、こむら返りが起こるリスクが高くなります。
②血流不足
血液は、たまに逆流したり、うっ滞したりします。
※うっ滞:静脈内に血液が停滞すること
すると、血液中にあるミネラルに異常が生じ、ふくらはぎの筋肉に異常な収縮が起きると考えられています。
それが、こむら返りです。
その他にも、次のような時はこむら返りが起こりやすいと考えられています。
過度の労働や運動による体の疲れ、体の冷え
ふだん使わない筋肉を使った後や、急に負荷をかけた後など
どうして、寝ているときに起こるの?
こむら返りが就寝中に起こりやすいのは、
足の甲とすねが一直線になる状態が長時間続き、感覚器官の働きが鈍くなるからです。
食生活の面では、ビタミン・ミネラルが不足すると、電解質のバランスが崩れ、こむら返りが起こりやすくなると考えられています。
また、一時的な糖分の過剰摂取も、代謝のためにビタミンが消費されるため、こむら返りが起こることがあります。
偏った食事や、栄養不足などが原因で、起こる場合もあります。
よくこむら返りになるという人は、ビタミン・ミネラルの摂取ができているかなど、日々の生活習慣を見直すことをおすすめします。
よく足がつるのは、病気なの?
生活に支障をきたすほど、こむら返りが頻繁に起こる場合には、何らかの病気が潜んでいる可能性があります。
考えられる病気と症状は、次のとおりです。
イオンバランス異常
※イオンバランス:プラスイオンと、マイナスイオンのバランス。プラスイオンが増えてバランスが崩れると、人体にさまざまな影響を与えると考えられている。
血管系疾患
内分泌系疾患
神経筋疾患
・脳梗塞
・椎間板ヘルニア
・脊柱管狭窄症
・筋萎縮性側索硬化症
・筋ジストロフィーなど
代謝異常
・糖尿病
・肝硬変
・低栄養状態など
骨関節疾患
・関節炎など
・高血圧症
・脂質異常症
・ぜんそく
・抗ガン剤
・ホルモン剤などの薬
処置は、足の指を、手前にゆっくり引く
ストレッチ、マッサージを行う
こむら返りは多くの場合、一過性のため、ストレッチやマッサージを行うと快方に向かいます。
ふくらはぎが痛い場合は、次のようにストレッチをしてください。
膝を伸ばして座る
足の指先を手前にゆっくり引き寄せる
立ちながら足を前後にずらしてアキレス腱(けん)を伸ばす
漢方薬を使用する
こむら返りに使用される漢方薬には、筋肉のけいれんを抑える働きがある芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)があります。
芍薬甘草湯は、服用後10分ほどで働きが出て、即効性も期待できます。
まとめ
こむら返りが起きる原因は、明確には分かっていません。
生活習慣の影響、何らかの病気のサインなどと考えられています。
こむら返りが長時間続くことはほぼないため、症状に適したケアや、安静にしていると、改善するケースがほとんどです。
こむら返りを何度も繰り返す場合は、筋肉の疲労などでふくらはぎが、けいれんしているだけではないかもしれません。
元々患っている病気(基礎疾患)が原因で、こむら返りが起こっている恐れもあります。
気になる方は、早めに医療機関を受診して、医師に相談してください。